電子書籍で洋書を読もう

電子書籍と洋書の組み合わせなら  本がいっぱい 値段も安い 一瞬で届く 辞書も引きやすい

ワシントン・ポストはマルコ・ルビオが嫌いなのだろうか The 2016 Contenders: Marco Rubio

ワシントン・ポストはThe 2016 Contendersという大統領選の各候補者についてまとめたパンフを出しています。トランプ氏とかクリントン氏くらいになるとインデペンデントの著者が色々とまとめたのが他にも多くあるのですが、何人かの候補者はこのシリーズ以外に碌なパンフもないという状況です。半年も経てば候補者も数人に絞られるので出し甲斐がないのでしょうか。

マルコ・ルビオ氏は現在の状況から、共和党が大統領選に勝てるとすれば、おそらくこの人を候補に据えるしかなかろうと評論家筋から目されている人物です。トランプ氏は女性やヒスパニック層からの人気がなさ過ぎるので、共和党の予備選では勝ててもクリントン氏を相手にした場合の大統領選挙本選では危ういところがあります。クルーズ氏に至っては共和党エスタブリッシュ層の支持も得られるかどうか。もしかしてジェブ・ブッシュ氏の奇跡の復活とか、さらにはバーニー・サンダース氏がクリントン氏を破って民主党の指名を獲得するとかいうことが有り得るなら話は別ですが、ルビオ氏が共和党の指名を獲得することが党執行部からは待ち望まれているらしいです。

ルビオ氏はキューバからの移民の息子で、フロリダ州選出の上院議員一期目です。44歳と若くてハンサム。両親はキューバ革命の前に、アメリカに移住してきて父親はバーテンダー、母親は家政婦などをしていたこともあります。子供の頃の話では父親ともども大変なせっかちでファミリーレストランに行ったら注文が出てくるのが待ち切れなくて父親と一緒になって騒いだとかいう話が載っていました。高校ではフットボールに夢中で授業に出ると邪魔ばかりするので教師からは授業に出なければCマイナスをあげよう、その代わり授業に出ればF(落第点)だと約束されたそうです。

マイアミ大学卒業後、ウェストマイアミ市の執行委員に立候補した時には市長の家に直接行って支援を願い出ています。会って話した後、市長はたちまち味方になって、彼と一緒に選挙運動をしてくれたとか。その後、フロリダ州の下院議員を5期10年、2007年にはキューバ系アメリカ人として初めてフロリダ州の下院議長になります。2009年には合衆国の上院議員への転進を表明、2010年の選挙で当選しています。とにかく選挙に強く、今まで一度も落選したことがありません。ティーパーティ派とも共和党エスタブリッシュ層ともうまくやれる感じがあります。

さて、このパンフではルビオ氏に対してあるストーリーを描いてます。この手の候補者紹介では候補者の政策や傾向を紹介するのが常なのですが、ワシントン・ポストはルビオ氏があまりにも早く大統領選まで駆け上がったとして政策や政治的スタンスの紹介などは却下、代わりにフロリダ下院議長時代に党のクレジットカードを個人用の支出に使い込んだ件(後に弁済)、上院議員時代に移民に関する重要法案で態度を変えた件、フロリダ下院議員時代の副業で法律事務所に雇われ、収入が瞬く間に増えていった件(フロリダ州下院議員は兼業可)、同下院議員時代のあまり評判の宜しくない同僚との付き合い、果てはルビオ氏と直接関係のない共和党の選挙戦略の分析などについてのエッセイが書かれています。最後の選挙についての分析はなかなか面白くて、共和党が最後に勝ったブッシュ大統領の時の人種ごとの得票率(白人層の58%、非白人層の26%)では人口動態の変化により今回は勝てず、前回のロムニー候補の白人層59%が取れたとしても非白人層の30%は必要だろうと言っています。

結局、このパンフでは候補の中身はあまり関係なく、生まれ育ちで受けのいい、野心に溢れた若い大統領候補が周りの思惑をうまく利用したりされたりしつつ駆け上がっていく、といった連続ドラマもどきを描き出そうとしているように思えるのです。いくらワシントン・ポストがかつて「ポトマック川プラウダ」と呼ばれていたとはいえ、ちょっと悪意があります。何より候補者について知りたいと思っている読者に優しくありません。これならwikipediaの方が余程詳しく書いています。では民主党の候補はどんな描かれ方をしているでしょうか。脛に傷のあることなら全ての候補の中で一番であろうクリントン候補のパンフを次に読んでみる事にしました。

追記

どうでもいいことの上に完全に私の個人的な憶測なので追記に書きます。ルビオ氏はフットボール奨学金を得ていて、奥さんは元チアリーダー。いわゆるジョックとクイーンビーという高校ヒエラルヒーのトップに君臨するタイプ。がり勉気質の多いとされる民主党寄りマスコミ関係者にはもっとも恨まれるタイプのような気がします。